鷹の爪
鷹の爪
第25号 2011年11月21日
平野武文税理士事務所 発行

http://www.office-hirano.com/

今月の目次
はじめに
よみとく ・・・雇用促進税について
七色めがね・・・リーダーの条件
テリマカシ・・・みそブーム到来!?
あとがき

はじめに
 いつの間にか吐く息が白くなる頃となり、温かい鍋が恋しい季節となりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
震災、円高、年金問題など、難問が多く、重苦しい世の中ですが、
8年ぶりにホークスが日本一になりました。
鷹ファンの方は大喜びでしょう。おめでとうございます。
久しぶりの鷹の爪、よろしくお願いいたします。

ぶどう



よみとく
雇用促進税制について

平成23年度の税制改正において、雇用を増加させた会社への優遇税制が施行されました。
平成23年4月1日~平成26年3月31日に開始する各事業年度において、一定の要件を満たしていれば、増員1人当たり20万円の税額控除がうけられる制度です。

 

対象となるには

下記1.~5.を全て満たす必要があります
1.青色申告を提出していること
2.前期、当期に事業主都合による離職者がいないこと
3.増員数が2人以上であること
4.増員数が前期末従業員数の1割以上であること
5.給与支給額が、1比較給与支給額以上であること

1前期給与支給額+(前期給与支給額×増員割合×30%)



手続きの流れ
  期首より2ヶ月以内に、2雇用促進計画をハローワークに提出
                  
 期末より2ヶ月以内に3雇用促進計画達成状況をハローワークに提出
                  
計画達成の確認を受けた書類の写しを申告書に添付して税務署へ

         2,3 フォームの決まった簡単な記入事項のみの書類です。


なお、控除限度額は、法人税の20%です。

当制度は、事前の届出がなければ、雇用者が増加しても税額控除を受けることができません。少しでも採用の可能性がある場合は、雇用促進計画書の提出をお勧めします。

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(今が旬の話題)  
 リーダーの条件   
 

アップルのコンピュータを知らなくても、アイフォーンを知らない人はいないでしょう。


その開発者、スティーブ・ジョブズ氏が、2011年10月5日(日本時間6日)、56歳で亡くなりました。
彼が持つカリスマ性は、多くの人をひきつけ、まだこれから斬新な発想を世界に送り出したであろう夢の商品を想像してその早すぎる死を悼んでいる人はアメリカにとどまらず世界中に数多くいると思います。

 数々の輝かしい彼の経歴を知るにつれ、天才的先駆者であり、21世紀の偉人と賞賛されるのも当然だと思いますが、一方で、彼と関係の深かった人々の“スティーブ・ジョブズ評”を見ると、違った評価がされているのにも興味を覚えます。

「スティーブは、米国のイノベーターの中で最も偉大な一人でした。違う考えを持つことに勇敢で、世界を変えられるという信念に大胆で、そしてそれを成し遂げることに十分優秀でした。この星で最も成功した会社の1つをガレージから作り上げることで、彼は米国の独創性の精神を実証した。スティーブは毎日が最後の日であるかのように生き、私たちの生活を変え、全産業を再定義し、私たち一人一人が世界を見る方法を変えました」

バラク・オバマ(現アメリカ合衆国大統領)

「他人の脳みそを盗むのはジョブズにとって普通のやり方さ。まず人のアイデアを鼻であしらっておいて、その一週間後には、素晴らしいアイデアを思いついたなんていいながら戻ってくる。そのアイデアというのは、もちろん一週間前に誰かがジョブズに話したアイデアなんだ。我々はジョブズのことを現実歪曲空間と呼んでいたのさ」

—ジェフ・ラスキン(コンピュータ技術者・アップル社のマッキントッシュ共同開発者)

「スティーブはまさに刺激的な存在だ。放漫で、暴虐で、激しく、無い物ねだりの完全主義者だ。彼はまた、未成熟で、かよわく、感じやすく、傷つきやすくもある。そして精力的で、構想力があり、カリスマ的で、さらにおおむねは強情で、譲らず、まったく我慢のならない男だ」

—ジョン・スカリー(ペプシコーラ社長・アップル社長、CEO)

「人は、私がクソ野郎についての本を書いていると聞きつけるや否や、スティーブ・ジョブズについての話を話し始めただろう。シリコンバレーでいかにジョブズが恐れられているか、そのレベルには驚嘆するものがある。彼は人を震え上がらせ、悲嘆にくれさせる。だが、彼はほとんどいつも正しく、たとえ間違えている時でも、その創造性の豊かさには目を見張るものがある」

—ロバート・サットン(スタンフォード大学工学部教授<専門 組織行動学論・管理学論 イノベーション論理学論>)


「民主主義に沿ってたんじゃ、素晴らしい商品なんて創れっこない。闘争本能の固まりのような独裁者が必要なんだよ」

—ジャン・ルイ・ガセー(Be社創業者、元アップル社員)

なかなか辛辣ですが、偉大なる結果を出した人は、周りの他者にとって“ひどい人間”と映ったり、”偏屈・変わり者“と見えたりするのでしょう。

そこが天才たる所以かもしれません。


「あなたの時間は限られている。だから他の誰かの人生を生きて時間を無駄にしてはいけない。ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれてはいけない。それは他の人たちの考えた結果と生きていくということだから。その他大勢の意見という雑音にあなたの内なる声を溺れさせてはいけない。そして最も重要なことは、自分の心と直感を信じる勇気を持つことだ。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外は、全部二の次だ」


「未来を見て、点を結ぶことはできない。過去を振り返って点を結ぶだけだ。だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない」

彼が残した言葉です。  

 
  天才的リーダーと言えば、わが国では、織田信長を思い起こします。

織田信長は、言うまでもなく、日本の歴史上あまりにも有名な人物のひとりであります。
彼の言動は、従来のあり様とはまったく違ったものであったため、変人、奇人、そして、
天台宗総本山比叡山延暦寺を焼き討ちしたということから、宗教弾圧者で、
“とんでもなく恐ろしい人”とも評されています。
しかし海の向こうを見据えていた信長の独創的な戦略や思考は、とても魅力的で、われわれを引きつけて離しません。

「誰かいるか!」と呼ぶと、近習がすぐに来て、次の言葉を待つ。
すると、信長は「もう良い」と言って下がらせる。
同じ事を、何度も繰り返し、ある者が「下がれ」と言われて退出する時に、小さな塵に気がついて拾った。
信長は、「ちょっと待て」と呼び止める。
「人は心と気を働かすことをもって良しとするものだ。武士は攻めるも引くも潮の満ち引きのようなものである。合戦は潮合を読んでするものだ、今のその方の退き様は感心である」

戦国時代研究の貴重な資料となる『日本史』を記したことで有名な、ポルトガル人キリスト教宣教師ルイス・フロイスは、信長の人物像を非常に詳細に記しています。

「彼は中くらいの背丈で、華奢な体躯であり、ヒゲは少なく、はなはだ声は快調で、極度に戦を好み、軍事的修練にいそしみ、名誉心に富み、正義において厳格であった。彼は自らに加えられた侮辱に対しては懲罰せずにはおかなかった。いくつかの事では人情味と慈愛を示した。彼の睡眠時間は短く早朝に起床した。貪欲でなく、はなはだ決断を秘め、戦術に極めて老練で、非常に性急であり、激昂はするが、平素はそうでもなかった。彼はわずかしか、またはほとんど全く家臣の忠言に従わず、一同からきわめて畏敬されていた。酒を飲まず、食を節し、人の扱いにはきわめて率直で、自らの見解に尊大であった。彼は日本のすべての王侯を軽蔑し、下僚に対するように肩の上から彼らに話をした。そして人々は彼に絶対君主に対するように服従した。彼は戦雲が己に背いても心気広闊、忍耐強かった。彼は善き理性と明晰な判断力を有し、神および仏の一切の礼拝、尊崇、並びにあらゆる異教的占卜や迷信的慣習の軽蔑者であった。形だけは当初法華宗に属しているような態度を示したが、顕位に就いて後は尊大に全ての偶像を見下げ、若干の点、禅宗の見解に従い、霊魂の不滅、来世の賞罰などはないと見なした。彼は自邸においてきわめて清潔であり、自己のあらゆることをすこぶる丹念に仕上げ、対談の際、遷延することや、だらだらした前置きを嫌い、ごく卑賎の家来とも親しく話をした。彼が格別愛好したのは著名な茶の湯の器、良馬、刀剣、鷹狩りであり、目前で身分の高い者も低い者も裸体で相撲をとらせることをはなはだ好んだ。なんぴとも武器を携えて彼の前に罷り出ることを許さなかった。彼は少しく憂鬱な面影を有し、困難な企てに着手するに当たっては甚だ大胆不敵で、万事において人々は彼の言葉に服従した」


信長に、「理想や信念を見失った者は、戦う前から負けているといえよう。廃人と同じだ。理想を持ち、信念に生きよ」の言葉があります。スティーブ・ジョブズ氏と共通するものを感じます。


現在の日本国内に戦争はありません。平和ボケしてぬくぬくと、明日という日が保証されたかのように日々をすごしている時代に、大きな震災があり、原発事故がありました。
「天罰だ」と言って、顰蹙を買った政治家もいますが、リーダー不在と言われる自国の未来に、いよいよ不安が増していきます。
しかし、だからこそ、時代を変えてきた先人・偉人へ思いを馳せて、己を鼓舞して生きなければならないと思うのです。結果は必ずついてくると信じることがすべてのような気がします。アンビリーバボー(信じられない!!)な、発想と行動力が、暗い時代を変えるのです。

                                     K・N 

ライン

テリマカシ (テリマカシとはインドネシア語で「ありがとう」という意味です。)
みそブーム到来!?   

最近、味噌がブームのようです。
みそカフェ、みそ汁バー、みそケーキ、みそプリン、みそマカロンなどなど・・・
人気の秘密は、「医者いらず」とも言われる健康効果。がん、生活習慣病の予防、老化防止など、さまざまな効能があると言われています。

味噌は、米、麦、大豆などの穀物を発酵して造られる日本の発酵食品です.
室町時代では保存食として、戦国時代になると、携帯に便利な上、栄養価が高いことから、兵糧として重宝され、味噌作りは戦国大名にとって重要政策の一つでした。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康がそろって豆味噌どころに生を受けているのは偶然でしょうか?
各地の風土・気候が反映され、熟成方法が異なり全国に多様な味噌をもたらしました。
味噌を寝かせる期間が比較的短いと甘味噌、長いと辛口味噌になります。
米味噌の代表格は白味噌、関西味噌、信州味噌、仙台味噌、越後味噌など、豆味噌は八丁味噌、東海豆味噌あたりでしょうか。九州は麦味噌や合わせ味噌が多いですね。

 古くから栄養の宝庫として知られている味噌ですが、さらに近年、
味噌の働きを解明した論文が数多く発表され、様々な効能が指摘されています。

 

  ① がんのリスクをさげる
 ・ 1日3杯以上の味噌汁で乳がんの発生率が40%も減少(厚生労働省研究班)
 ・ 大腸がんの前がん病変を抑える完熟味噌の効果(広島大学・渡邊敦光教授)
 ・ 味噌の塩分は胃がんを促進しない(同上)
 ・ 「毎日味噌汁を飲む人にがんが少ない」理由(東京農業大学・菅家祐輔名誉教授)
 ・ 喫煙者が毎日味噌汁を食べると死亡率は低下する(国立がんセンター・故平山雄博士)


 ② 生活習慣病のリスクをさげる
 ・脳卒中、痴呆症、心臓疾患などの発症を低下させる(大妻女子大学・青木宏名誉教授)
 ・味噌汁のある食事パターンが骨粗しょう症に効果(癌研究会・陳瑞東顧問)
 ・大豆はコレステロールを抑制する7成分がある(県立姫路工業大学・辻啓介教授)
 ・糖尿病の改善やがんへの効果が期待される、味噌の褐色色素
                       (女子栄養大学・五明紀春教授)
 ・大豆アレルギーの人でも食べられる天然の「脱アレルゲン食品」
                       (京都大学・小川正名誉教授)

 ③ 老化防止
 ・味噌の原料「大豆成分」が脳卒中の発症を抑え、長寿に貢献する
                       (京都大学・家森幸男名誉教授)
 ・発酵によって味噌に老化制御機能が生まれる(東京農業大学・小泉武夫名誉教授)
 ・熟成過程で抗酸化力を高める物質が生まれる(大妻女子大学・加藤博通教授)
 ・味噌のサポニンが老化の原因となる活性酸素を消去(東北大学・大久保一良名誉教授)

 ④ その他
 ・血圧低下作用を持つ物質がある(近畿大学・河村幸雄教授)
 ・美白効果がある(食品総合研究所・新本洋士研究室長)など
                                   
                         (「MISO ONLINE」より抜粋)

 

    がんのリスクをさげる
男性の場合、味噌汁を毎日摂っている人よりも、まったく摂らない人の方が、胃がんによる死亡率が48%も高いと言う実験結果がでています。
味噌の脂溶性物質が発ガン物質と密接な関係にある変異原性物質の働きを抑制し、細胞のがん化を招く放射性物質を除去します。
また、女性ホルモンが発生を促進する乳がんでは、大豆のイソフラボンが、女性ホルモンの分泌過剰を抑え、乳がんを抑制すると言われています。

    生活習慣病のリスクをさげる
大豆に含まれるリノール酸、植物性ステロール、ビタミンE、ペプチド、食物繊維、サポニンや、味噌のたんぱく質と糖が血中コレステロール、血圧を低下させます。
また、味噌汁の具材である野菜、イモ類などに多く含まれるカリウムが、収縮している血管を拡張させ、海藻、納豆などの大豆製品に多く含まれるマグネシウムはカルシウムが細胞内に流入するのを抑えます。
野菜を煮ると、カリウムやマグネシウムの一部は煮汁に溶けてしまいますが、味噌汁はこれをそっくり摂取することができ、余分な塩分を体外へ排出します。
さらに、大豆によって鉄とカルシウムが一緒に摂れますし、だしを取る煮干やジャコ、けずり節、具に利用される豆腐やワカメ、葉っぱ類にもカルシウムが含まれます。
味噌汁のある食卓を定着させることが、骨粗しょう症や生活習慣病を防ぐことになるのですね。

*近年の研究によって、塩分の摂り過ぎが高血圧を招くかどうかは、遺伝的要素によって大きく左右され、その遺伝子を持つ人は日本人のうち2割程度に過ぎないと言われています。(東京大学医学部・藤田敏郎教授)

    老化防止
味噌の成分であるサポニンが老化や疾病の大きな原因となる活性酸素を除去します。

そして、味噌が注目される大きな理由の一つに、最近問題になっている放射性物質を除去するという働きがあります。広島大学原爆放射能医学研究所・伊藤明弘教授によれば、マウスにヨウ素及びセシウムを投与したところ、あらかじめ味噌のえさを多く与えておいたマウスの方が、通常のマウスに比べ、ヨウ素の排せつが多く見られ、セシウムについても減少したということです。

みその成分がどのように働いて、放射線防御作用を起こすのか、いくつかの可能性が考えられています。一つは、みその成分により、体の代謝活性がよくなるということ。さらに、みその成分中には、血液中の放射性物質などと物理結合する物質があり、それが放射性物質を排せつするのだろうと考えられています。つまり、不溶性の放射性物質は血液中に溜まりますが、みそ中の成分が血液中に高濃度で含まれていると、これと結びつき、尿や汗などとともに、排せつされることになります。」(前掲、伊藤教授)

昔から食べられてきたものには、ちゃんと理由があったんですね。


     
 


 ところが現在、味噌の国内生産はやや減少傾向にあります。
外食の増加、若い世代の日本食離れ、米消費の減少などにより、家庭で味噌を使う頻度が少なくなってきているのでしょう。
逆に海外での需要は増加傾向にあるようです。
試しに、世界のインターネット検索エンジンgoogle.comで「miso」と入力してみると、そのページの多さに驚かされます。

改めて味噌の良さを再認識すれば、食卓に並ぶ味噌汁がまた一段と美味しく感じるかもしれません。

                                              I.M

ライン

終わりに
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
師走に向けて、よりお忙しい時期を迎えられることと思います。どうぞ、ご自愛ください
ご意見、ご感想、ご要望ございましたら、どんなことでも構いません。ぜひお聞かせ下さい。
(こちらからどうぞ melmaga@office-hirano.com
また、当所のホームページにはメールマガジンのバックナンバーを全て掲載している他、経営支援サイトなどもございますので、是非ご覧下さい。
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